2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧
◦冬の女王グリムの森を眠らせる (ふゆのじょおうグリムのもりをねむらせる)
◦寒泳の古式に鯱の扇振る (かんえいのこしきにしゃちのおうぎふる)
◦拗者に風の曲がりし冬木立 (すねものにかぜのまがりしふゆこだち)
◦冬枯の八方から鞭打たれおり (ふゆがれのはっぽうからむちうたれおり)
◦目の覚めて梁の軋みし寒夜かな (めのさめてはりのきしみしかんやかな)
◦鵙の声あつめて寒の入日刻 (もずのこえあつめてかんのいりひこく)
◦寒鴉父祖伝来の巣を保ちぬ (かんがらすふそでんらいのすをもちぬ)
◦鷽替へて語らぬ鷽をもらいけり (うそかえてかたらぬうそをもらいけり)
◦寒雀ふくふく丸く暖かし (かんすずめふくふくまるくあたたかし)
◦耳病みて冬暁の鐘遠かれり (みみやみてとうぎょうのかねかとおかれり)
◦冬耕や蛙の大地転倒す (とうこうやかえるのだいちてんとうす)
◦寡黙なる父系受けつぐ冬の瀧 (かもくなるふけいうけつぐふゆのたき)
◦両国に髷が風きる初場所 (りょうごくにまげがかぜきるはつばしょ)
◦戸を叩くゆんべの客は雪男 (とをたたくゆんべのきゃくはゆきおとこ)
◦旦那寺の鐘の音ひくく明け凍むる (だんなじのかねのねひくくあけしむる)
○境遇のよく似た人や藪柑子 (きょうぐうのよくにたひとややぶこうじ)
○ガチャポンと霰の町へ投げ出さる (ガチャポンとあられのまちへなげださる)
◦風花や空へ口あく子供かな (かざばなやそらへくちあくこどもかな)
◦巳が棘の重みに耐えし冬薔薇 (しがとげのおもみにたえしふゆそうび)
◦冬凪や浮く島々に船いくつ (ふゆなぎやうくしまじまにふねいくつ)
◦湯たんぽを抱いて丸寝に終の夢 (ゆたんぽをだいてまろねについのゆめ)
◦唐突に雨のあがりて冬茜 (とうとつにあめのあがりてふゆあかね)
◦逆さ立つ梯子の先や寒の空 (さかさたつはしごのさきやかんのそら)
◦寒四郎鼻から耳へ風通る (かんしろうはなからみみへかぜとおる)
◦七草や叩いて歌う祝い粥 (ななくさやたたいてうたういわいがゆ)
◦ふく袋明日のことは明日まかせ (ふくぶくろあしたのことはあすまかせ)
◦花札に剽げる音の三日かな (はなふだにひょうげるおとのみっかかな)
◦年男よいよいよ翔ばね弟よ (としおとこよいよいよとばねおとうとよ)
◦古里の卓袱台丸く雑煮食ぶ (ふるさとのちゃぶだいまるくぞうにたぶ)
◦初夢や塞翁が馬天翔る (はつやめやさいおうがうまあまかける)