2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

田水沸く

◦海山の照りつく間合い田水沸く (うみやまのてりつくまあいたみずわく)

暑気払い

◦果実酒にそれぞれの色暑気払い (かじつしゅにそれぞれのいろしょきばらい)

帰省子

◦帰省子の手はリモコンを離さざる (きせいしのてはリモコンをはなさざる)

◦砂浜のロックバンドや鱚跳ねる (すなはまのロックバンドやきすはねる)

稲の花

◦朝飯や孫に白飯稲の花 (あさめしやまごにしろめしいねのはな)

遠花火

◦遠花火おらパリの灯を見に行くだ (とおはなびおらパリのひをみにいくだ)

黄金虫

◦黄金虫金貨は髑髏の目を透す (こがねむしきんかはどくろのめをとおす)

白南風

◦白南風やラム酒の盃を海賊に (しろはえやラムしゅのはいをかいぞくに)

大暑

◦牛鬼を被りて街の大暑かな (うしおにをかぶりてまちのたいしょかな)

大南風

◦大南風や少年の見る宝島 (おおはえやしょうねんのみるたからじま)

南風

◦南風の来て少年の帆は浦を出づ (はえのきてしょうねんのほはうらをいづ)

白玉

◦白玉やその拠るところ君は君 (しらたまやそのよるところきみはきみ)

昼寝

◦昼寝さめこの世も同じ暑さかな (ひるねさめこのよもおなじあつさかな)

大夕立

◦大夕立ふたりがひとり橋の上 (おおゆうだちふたりがひとりはしのうえ)

夏越

◦田の道を夏越の祓して帰る (たのみちをなごしのはらえしてかえる)

茅の輪

◦結界の茅の輪に鬼の歯がみ哉 (けっかいのちのわにおにのはがみかな)

炎昼

◦炎昼や大見得切ってひとり哉 (えんちゅうやおおみえきってひとりかな)

羅物

◦羅物の女枡席の大相撲 (うすもののひとますせきのおおずもう)

蟻の列

◦蟻の列辿れば乳と蜜の山 (ありのれつたどればちちとみつのやま)

葦簀

◦ひとり居の葦簀の陰の広さかな (ひとりいのよしずのかげのひろさかな)

熱帯夜

◦熱帯夜四千匹の羊かな (ねったいやよんせんびきのひつじかな)

冷や奴

◦持ち古りし箸の勝ってに冷や奴 (もちふりしはしのかってにひややっこ)

鬼灯

◦鬼灯の縁日四万六千日 (ほおずきのえんにちしまんろくせんにち)

日傘

◦ゆく女の忍ぶに見ゆる日傘かな (ゆくひとのしのぶにみゆるひがさかな)

天の川

◦天の川ひとつづつ有るペナルティ (あまのがわひとつづつあるペナルティ)

梅雨ぬけず

◦飛行機の唸る頭上の梅雨ぬけず (ひこうきのうなるずじょうのつゆぬけず)

滴り

◦滴りのおち墜ちてゆく浄土かな (したたりのおちおちてゆくじょうどかな)

水馬

◦水馬の上手が道の水溜まり (あめんぼのじょうずがみちのみずたまり)

山清水

◦珈琲に葛折行き山清水 (コーヒーにつづらおりいきやましみず)

半夏

◦南天の鬼門に咲ける半夏かな (なんてんのきもんにさけるはんげかな)