2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

田水

◦田水吹く田守の神や雨もよい (たみずふくたもりのかみやあまもよい)

蝌蚪の水

◦蝌蚪の水天の川にも似たりけり (かとのみずてんのかわにもにたりけり)

春の月

◦用の途に汀女が見よと春の月 (ようのとにていじょがみよとはるのつき)

夕蛙

◦筍と蕗の灰汁とり夕蛙 (たけのことふきのあくとりゆうがえる)

昼の蝶

◦しおかぜのホームに迷う昼の蝶 (しおかぜのホームにまようひるのちょう)

◦名大の鏡ヶ池の蛙かな (めいだいのかがみがいけのかわずかな)

春霖

◦春霖にめきめきもりもり竹の子ら (しゅんりんにめきめきもりもりたけのこら)

春の虹

◦九階は小児病棟春の虹 (九かいはしょうにびょうとうはるのにじ)

囀り

◦囀や寒さ戻りし日を屈む (さえずりやさむさもどりしひをこごむ)

竹の秋

◦子の部屋をさわさわ通る竹の秋 (このへやをさわさわとおるたけのあき)

穀雨

◦トポロジー歪みの都会の穀雨かな (トポロジーゆがみのまちのこくうかな)

春キャベツ

◦春キャベツゆるゆる押しぬ老車 (はるキャベツゆるゆるおしぬおいぐるま)

若葉雨

◦碑のこぼち溜めをり若葉雨 (いしぶみのこぼちためおりわかばあめ)

木の芽和

◦つまずいた筍拾って木の芽和 (つまずいたたけのこひろってきのめあえ)

大根咲く

◦老農の休む高さに大根咲く (ろうのうのやすむたかさにだいこさく)

誓う春

◦わが身にも0増5減誓う春 (わがみにも0ぞう5げんちかうはる)

新入生

◦新入生もとの惚けの日曜日 (しんにゅうせいもとのほおけのにちようび)

春暮れる

◦菜づくしに一日無事の春暮れる (なづくしにいちにちぶじのはるくれる)

つばめ

◦二三度は燕も見に来るわが家かな (にさんどはつばめもみにくるわがやかな)

◦百年の軒の燕や農の家 (ひゃくねんののきのつばめやのうのいえ)

◦田水きて潜望鏡出す蛙かな (たみずきてせんぼうきょうだすかえるかな)

日脚のぶ

◦日脚伸 to be or not to be 鯉の髭 (ひあしのぶやるべきかやらざるべきかこいのひげ)

仏生会

◦仏生会ゆびは一本孫ひとり (ぶっしょうえゆびはいっぽんまごひとり)

犬ふぐり

◦ガリバーの夢みていたよ犬ふぐり (ガリバーのゆめみていたよいぬふぐり)

桜ふぶき

◦山の神桜ふぶきを舞い降りる (やまのかみさくらふぶきをまいおりる)

◦ナルシスの桜抱きけり山の池 (ナルシスのさくらだきけりやまのいけ)

つくし

◦甲乙をきそわれているつくしかな (こうおつをきそわれているつくしかな)

土筆

◦雨の野に土筆つみ来る都会の子 (あめののにつくしつみくるとかいのこ)

葱坊主

◦朝練の子のかけ声や葱坊主 (あされんのこのかけごえやねぎぼうず)

万愚節

◦藁しべの長者と話す万愚節 (わらしべのちょうじゃとはなすばんぐせつ)