2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧
◦さくらこの娘あげよか花いちもんめ (さくらこのこあげよかはないちもんめ)
◦夜桜の鬼の酒盛り声がなし (よざくらのおにのさかもりこえがなし)
◦春昼の碧の夢のわれも碧 (しゅんちゅうのみどりのゆめのわれもあお)
◦春愁やハムレットがまた迷ひ込み (しゅんしゅうやハムレットがまたまよいこみ)
◦花冷えのことより人の上野かな (はなびえのことよりひとのうえのかな)
◦本閉じて灯を消してより朧月 (ほんとじてひをけしてよりおぼろづき)
◦白蓮の白々明ける辻の家 (はくれんのしらじらあけるつじのいえ)
◦野に入れば胞子撃ちくる土筆 (のにいればほうしうちくるつくづくし)
◦予報士の降る吹く曇と春の空 (よほうしのふるふくどんとはるのそら)
◦野のすみれかたに力はなかりけり (ののすみれかたにちからはなかりけり)
◦饗さるる大ぼた餅の彼岸かな (きょうさるるおおぼたもちのひがんかな)
◦時差に覚むけさ瀬戸内の春嵐 (じさにさむけさせとうちのはるあらし)
◦草餅の色にただよふ大和かな (くさもちのいろにただよふやまとかな)
◦春雷やスペイン広場は雨の瀧 (しゅんらいやスペインひろばはあめのたき)
◦春耕やロシナンテ駆る風車かな (しゅんこうやロシナンテかるふうしゃかな)
◦洞窟のフラメンコ待つ春の月 (どうくつのフラメンコまつはるのつき)
◦糸杉やアルハンブラに舞ふ花粉 (いとすぎやアルハンブラにまうかふん)
◦地中海薄紅にアーモンド咲く (ちちゅうかいうすべににアーモンドさく)
◦杏咲くアンダルシアの赤き土 (あんずさくアンダルシアのあかきつち)
◦春燈を鏡に写し旅信書く (しゅんとうをかがみにうつしりょしんかく)
◦春光をガウディが塔の呑込みぬ (しゅんこうをガウディがとうののみこみぬ)
◦この雨滴あの雨滴みな木の芽雨 (このうてきあのうてきみなきのめあめ)
◦恋猫や今朝はやもめが蒲団干 (こいねこやけさはやもめがほとんほし)
◦置いて来し目高ねむるか夕霞 (おいてきしめだかねむるかゆうがすみ)
◦草萌える滑走路を残しけり (くさもえるかっそうろをのこしけり)
◦陽炎の中へ飛び立つわが機かな (かげろうのなかへとびたつわがきかな)
◦関空にスニーカー軋む春の旅 (かんくうにスニーカーきしむはるのたび)
◦春廚手のひらにのせ豆腐きる (はるくりやてのひらにのせとうふきる)
◦雛あられ恐れ恐れの継歯かな (ひなあられおそるおそるのつぎばかな)
◦春一番右往左往やドラム缶 (はるいちばんうおうさおうやドラムかん)