匂ひ草

            ○匂ひ草八堂山に訪ね来て

              (におひくさはちどうやまにたずねきて)

           

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              ○七折に小梅の花や梅まつり    秋甫

              ○梅の香に誘われて来る目白かな  々

              ○梅錦てふ酒蔵に梅の花      々

           

下萌

          ○下萌や日切り地蔵に願かけて 

            (したもえやひきりぞぞうにがんかけて)

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              ○陸奥に大願成就草萌ゆる    秋甫

              ○お地蔵の笑顔に今朝の草青む  々

              ○下萌て年々歳々同じからず   々

 

建国日

           ○あの時は紀元は二千六百年

            (あのときはきげんはにせんろっぴゃくねん)

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              ○建国日顎はる吾は縄文人   秋甫

              ○八百万の神をいただき建国日 々

              ○紀元節二千六百年八十年   々

             

 

早春

           ○風の想ひ早春の木々に囁く

            (かぜのおもいそうしゅんのきぎにささやく)

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             ○静寂に早春の獣目覚めけり    秋甫

             ○早春の淡き夢胸にとどめよ    々

             ○早春や川のささやき野が聞けり  々

 

余寒

          ○開けて見た郵便受けの余寒かな

             (あけてみたゆうびんうけのよかんかな)

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             ○受験子の蒲団の中の余寒かな    秋甫

             ○寝座にゐて余寒明りの思案かな   々

             ○猫が物落として走る余寒かな    々

 

春の猫

          ○春猫のこの場合ノラ猫がいい

            (はるねこのこのばあいノラねこがいい)

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             ○春の猫それはまたそれ猫でもなし  秋甫

             ○恋猫のもののみごとに窶れけり   々

             ○憑きものが落ちれば仕舞猫の恋   々

 

 

          

 

春待つ

         ○することも無き春しきり待たれるや

             (することもなきはるしきりまたれるや)

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             ○待春や黄色い財布買いにけり   秋甫

             ○待春に親の気子の気移ろへり   々

             ○万象の春待つ気配地に満ちる   々