○秋茄子の剪り戻されて寂しき実
(あきなすのきりもどされてさびしきみ)
○秋茄子は身欠き鰊と煮びたしに 秋甫
○濃紺に糠床染める秋茄子 々
○糠床に母の差し込む秋茄子 々
(あきあつしグランドにふえなりつづく)
○箒草赤くなる手も秋旱 秋甫
○秋旱とて種播かざるは無信仰 々
○漁師家の迷路の先の秋暑かな 々
(カマキリのこしのくびれやにくしょくけい)
○いぼむしり鼻にできたる兄の疣 秋甫
○頼むならその斧仕舞へ疣むしり 々
○古蟷螂猜疑の心色に出し 々
(つゆぬるるみちきてはてのたでのはな)
○犬蓼のふし節に花涼しとも 秋甫
○蓼酢とは淡緑なる秋の池 々
○大蓼の穂のゆさゆさと大女将 々
(すずめらのながされているきびあらし)
○黍嵐果つれば哀れ古戦場 秋甫
○芋嵐子をみつけては見失う 々
○芋の葉の傘にもならぬ芋嵐 々